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テスト投稿してみました。将来的には日本人トップシューターのインタビュー、マッチのレポートを画像やイラスト、動画と共に紹介したいと思います。また書き手も2、3人いればシューティング新聞として機能するので募集します。最新の情報や事情を客観的にわかりやすく、何よりこれから始める人にとっての間口になればと思います。
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Posted by ミリタリーブログ at

2009年06月04日

トイガンIPSCを考える

実弾競技IPSCのルールにパワーファクターというのがある。
火薬の少ない弾は発射の反動が小さく撃ちやすいが、基準以下のパワーでは採点上不利になるというのだ。多くのIPSC選手は採点を有利にするため基準以上のガツンと来る強い弾を撃つ。 IPSCが始まった20世紀は実戦を意識し考えられたルールだが、競技として昇華した現在もこれは受け継がれている。パワーファクターはIPSCを今なお色褪せさせない要因のひとつだろう。銃のハデな音や反動は迫力があり、見た目も爽快だ。21世紀の高度なテクノロジーが注ぎ込まれても、GUNは去勢されていない。

さてトイガンの競技はどうだろう。 初期の頃は、ロブやジェスロなど世界のトップシューターが使う銃の形をし弾が出るだけで十分だった。だがトイガンメーカーは銃に近づけようと多くの進化を施した。スライドがブローバックしバレルはショートリコイルする。今ではGunと同じ重量、衝撃は22LRに迫りつつある。現在、トイガンとGunの体感は限りなく近い。 その一方で現在、トイガンシューターの多くは少しでも重量を軽くし発射の反動をなくすような改造を施す。それは実際のGunにも行われる不可欠な改造ではあるが、トイガンは元々プラスチックで軽く反動はゼロだ。結局はメーカーの改良をスポイルしていき、最後は弾が出るだけで十分な姿になる。これはどうだろう。退化させているとは言えないだろうか。

PCM前マネジャー トニー岩村氏は、究極にカスタマイズされた軽く反動のないトイガンに対する見解が冷ややかだった。彼はアメリカでスティールチャレンジに参加するほどのシューターであるが、同時にトイガンのシューティングレンジを経営する大のトイガン好きである。彼はウェスタンアームズ社製2011でプレート競技に参加し、見事優勝を果たした。それは、より反動を得ようとHWのSCWスライドをRタイプシャーシ・ロングピンで撃つ、素晴らしい撃ち応えの2011だった。 そして彼は自らの主宰するトイガンマッチに新しいルールを考えた。1000g以下のトイガンでは参加不可というものだ。実際はメーカーやモデルによって元々基準に大きく届かないもの、またオプティカルサイトの機種や有無もあり乱暴なものではあった。 だが、この提唱はトイガンの進化に沿ったものだった。

究極にカスタムされたトイガンは非常に高い技術と情熱で作られており、その出来栄えや性能は大いにガンファンを魅了する。ただIPSCを本質から十分に楽しむなら、パワーファクターがあるそれを反動の少ないカスタムでやるのはいかがなものか。究極のカスタムはスティールチャレンジに使い、IPSC系は反動があるトイガンを使うなるとマッチ自体に個性が出来て面白い。

具体的な話ではトイガンでIPSCを行う場合、パワーファクターの概念を踏襲し反動が大きい方を良しとしたらどうか。 スライド重量000g以上、ストロークも00cm以上確保、それをクリアすればメジャー採点となりスコアで有利とする。満たさなければマイナー採点で不利というだけだ。リボルバーや電動ブローバックはメジャー採点で良いだろう。
これならどのメーカーのトイガンでも参加可能で、究極のカスタムを使っても全てAゾーンを撃ち抜けば得点に差は出ない。どちらを選ぶも戦略だ。メジャー対応のトイガンを作るという新たなカテゴリーが生まれ、カスタムの選択肢も増えるだろう。飾りだけだったマズルブレーキも反動を抑えるスタビライザーとして機能する。ならば、これも重い方が良い。
ごく少数のHWスライドを使うシューターは今まで、ストイックなトイガンシューターから白い目で見られていた。しかしこれで名誉も挽回、メジャー採点を狙った選手だ。箱出しからカスタムせずも有利な事が多ければ、新規参入者の敷居も広がるだろう。

最近のトイガンでは内部機関が熟成し、外装をカスタムするファンが多い。そういったファンはトイガンを1gでも重く、反動を大きくする。シューターのカスタムとは逆だ。現在この相反する2つがマッチで上手い具合にリンクすれば、シナジーでどちらの文化も発展するだろう。重く質感があり強い反動のトイガンを手にした時の喜びを、楽しいマッチに持ち込まない手はない。
IPSCが高度に競技化してもパワーファクターが無くならないように、我々もトイガンを去勢する事はせずメーカーの進化に賛同しようではないか。  


Posted by test firearms at 20:54Comments(10)コラム